最恐ドクターの手懐けかた II






優しい店長が不憫に思い、



「すみません……」



思わず謝ると、



「いいっていいって。

慣れてるから」



にこやかに言われた。



ここでふと思い出した。

遠藤先生だけでなく、お義父さんだって非常識な人らしい。

店長はきっと昔からお義父さんに怒鳴られこき使われて生きてきたんだ。





店長を思うと胸が痛む私を、



「それより奈々ちゃん、大変だったんだって?」



店長は心配してくれる。

私の心配をするなら、自分の心配をするべきなのに。

だけど、はいと頷いた私に彼は続ける。


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