最恐ドクターの手懐けかた II
電子カルテを見たと思ったら、立ち上がって歩き回って。
あれじゃあまるで檻の中のサルだ。
周りのスタッフが集中出来ないのではないか。
「あれ、どうしたの?」
顔を歪めて指差す私に、さもおかしそうに優奈ちゃんは言う。
「冴木さんに陣痛が来るのを待ち構えているみたいです」
うわー、めんどくさい。
きっと遠藤先生なら、私が陣痛で入院したのを知った瞬間全ての業務を放り出してしまうのだろう。