最恐ドクターの手懐けかた II
「ど……どうしたんですか?」
震える声で聞く私に、
「お前の元彼、うぜぇんだよ!!」
遠藤先生は凄む。
いや、私は健太のことを聞いているのではなく、あんたの服装どうしたんだと聞いているのだが。
顔を引きつらせている私を見て、柊君は笑いながら言う。
「あのスカウトの人、琥太郎の服が凄すぎて、産婦人科にいたこいつと同一人物と思っていないみたいだぞ?」
そうか……
それは盲点だった。
確かに病院にいる遠藤先生はマトモだ。
白衣と術衣のせいで、欠点が隠れているから。
だけど前に立つ遠藤先生は、ただの変なピエロにしか見えない。