最恐ドクターの手懐けかた II
二人になった室内で、遠藤先生と久しぶりのお手製夕食を食べた。
店長の豪華な料理に比べれば、その料理なんておままごとみたいなものだ。
だけどようやく安静解除になって、こうやって二人でご飯を食べられることがこんなにも幸せだと思わなかった。
「奈々、安静生活、よく頑張ったな」
不意にそんなことを言う遠藤先生を見る。
彼は頰を緩めて私を見ていた。
稀に見せる、その優しい瞳が大好きだ。
変な服を着ていることなんて忘れて、その瞳に釘付けになる。
「あと少しだな、生まれるまで」
その言葉に頷いていた。