最恐ドクターの手懐けかた II
あと一週間後には、嫌でも妊娠生活が終わってしまう。
そして赤ちゃんに会える。
そう思うと嬉しいけど、やっぱり怖い。
私は出産を乗り切ることが出来るのだろうか。
「おーい。もう出てこいよー」
遠藤先生は白衣のまま、腕を組んで付き添い用の椅子に座っていた。
勤務中だというのに耐えきれなくなって、妊婦健診についてきてしまったのだ。
遠藤先生の声に反応したのか、赤ちゃんが力強くお腹を蹴った。
「あー、漢マンうるさいって言ってる……」
「はぁ!?うるさくねぇよ!!
てめぇが生まれたら、出産の歌を作ってやる!!」
遠藤先生は私のお腹に向かって叫んでいた。