最恐ドクターの手懐けかた II





顔を上げると、切なげに私を見る遠藤先生がいた。

その綺麗な頰に、そっと手を伸ばす。





こんな時になに考えているのだろう。

我ながら引いてしまう。

だけど……抱かれたいと確かに思う。

遠藤先生に抱かれたただ一回の記憶がない私は、ずっとそれを後悔して生きてきた。

次に抱かれる時は、絶対に記憶に残しておこう。

遠藤先生を堪能しようと思っていた。

だけどその機会はどんどんお預けになって、出産したらさらに後回しになってしまうのだ。




正直、気になって仕方がない。

暴君遠藤先生はどうやって私を愛したのか。

どんな顔をしていたのか。


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