最恐ドクターの手懐けかた II






「遠藤先生は何て?」



私を陣痛室に残して消えた遠藤先生を思い出し、



「あの人……頓珍漢で当てになりません」



ため息を吐いていた。




遠藤先生はちゃんとした産婦人科医だが、私のことになると途端にポンコツになる。

ポンコツというより、過保護というべきだろうか。

出産しているところを見られるのはもちろん、分娩室で大騒ぎされるのは分かっている。





「遠藤先生……

分娩室に来て欲しくないです」




そう言ったものの、やる気満々焦りに焦った遠藤先生を止めることは、もはや不可能だと思われた。


< 357 / 406 >

この作品をシェア

pagetop