最恐ドクターの手懐けかた II









そんな訳で、遠藤先生が帰さないと暴れるから、陣痛もまだ酷くない私は陣痛室で過ごすこととなる。

遠藤先生は派手派手な変な服を脱ぎ、見慣れた術衣に白衣姿だ。

その姿にホッとした。

あの変な衣装で近くにいられると、そればかりに気を取られてしまうからだ。

だけど、術衣を着ているということは、赤ちゃんを取り上げる気満々なのだろうか。





「遠藤先生……

遠藤先生は何もしないほうがいいです。

落ち着いてください」



そう言うのに、



「はぁ!?落ち着けるはずねぇだろ!!」



彼は怒鳴り散らす。

そして、檻に入った獣のように、陣痛室の中を歩き回る。





だからそういう忙しないの、やめてほしい!

気が散って仕方ないんだから!!



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