最恐ドクターの手懐けかた II
Case.16 鬼の目にも涙ですね
無理矢理入院して、はや八時間が経とうとしていた。
夜勤の東さんは勤務を終え、昼勤のスタッフとバトンタッチとなる。
私の陣痛は徐々に強くなり、深呼吸して痛みを逃がさないといけないほどだった。
陣痛の間隔は、ようやく七分ほどだろうか。
「まだまだですね」
涼しい顔で優奈ちゃんが言い、背中をさすってくれる。
優奈ちゃんがさすると、痛みがすーっと遠のくようだった。
優奈ちゃん、さすがだ!!