最恐ドクターの手懐けかた II





そして、それとともに新たな陣痛が押し寄せる。

少しずつ強くなる陣痛は腰を殴っているようだ。

横になり陣痛をやり過ごす私を、やっぱり遠藤先生はさすってくれる。

でもその生易しく見当外れのさすり方にイラついて、



「そこじゃないです!!」



とうとう怒鳴っていた。




「もっと下!

もっと力入れて!!」




それであたふたと背中をさすってくれる遠藤先生は、もはやいつもの暴君産婦人科医ではなかった。


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