最恐ドクターの手懐けかた II
死にそうな内診を終えて陣痛室に戻ると、相変わらず心配そうな顔の遠藤先生がいた。
「あー……
内診来なかったんですね……」
意外な事実をかろうじてそう告げると、彼は顔を歪めたまま告げる。
「行けるはずねぇよ」
……え?
「お前が苦しんでいる姿、これ以上見ていられねぇ」
そして、ぎゅっと手を握られる。
「悪かった、妊娠させて。
悪かった……俺のせいだ……」
やめて、そんなこと言わないで。
確かに陣痛は辛いけど、この痛みの先には幸せがあるのだから。
私は遠藤先生に感謝している。
こんなにも私を愛してくれて、そしてお母さんにさせてくれて。