最恐ドクターの手懐けかた II







「私の……私たちの……赤ちゃん……」






愛しくて仕方がない、小さな命。

私と遠藤先生のもとにやってきてくれた、愛しい存在だ。





「奈々……よく頑張ったな……」




ようやく私のもとに来て手を握ってくれた、臆病産婦人科医の遠藤先生は……信じられないことに涙を流していた。

それを見て、



「鬼の目にも涙だね」



小野先生が笑っていた。






こんな訳で、なんとか無事出産を終えることが出来た。

全く役立たずの遠藤先生に、下半身丸出しの恥ずかしい姿をばっちり見られながら。

私の姿も恥ずかしいが、遠藤先生だって相当恥ずかしい姿を晒していた。

だからまあ、許してやるとしよう。



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