最恐ドクターの手懐けかた II
一通り朝の仕事を終え、椅子に座ってカルテに記入する。
癪だから、立って仕事をしてやろうと思った。
だけど、これは遠藤先生と私だけの問題ではない。
お腹の赤ちゃんには何の責任もない。
その一心だった。
そんな私を見て、
「あー、今日はちゃんと座ってるね」
東さんが笑っている。
だから私も笑顔で頷いた。
「私がシングルマザーになったとしても、この子だけは守らないといけないですから」
いや、シングルマザーとか本当は嫌だ。
遠藤先生と三人がいい。
遠藤先生のことを考えると、また涙が出てきてしまいそうだった。