最恐ドクターの手懐けかた II





その視線はすやすや眠る赤ちゃんに移り、



「俺にも抱っこさせろよ!」



なんて言い始める。

だから思わず言ってしまった。




「今寝ているんですよ!

寝てるうちに、私は休まなきゃ」





そうなのだ。

仕事柄知っていたことだが、新生児は昼夜問わず目を覚まして泣く。

そのため、真夜中でもお世話をしないといけなく、産後の体にみるみる疲労がたまってきた。

まだ、身体だって何も回復していないのに。

後陣痛で腹部は痛み、切開された会陰なんて痛すぎて、ロボットみたいに歩くのが精一杯なほど。

それほどまでに出産は過酷で、元に戻るのには時間がかかると痛感した。



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