最恐ドクターの手懐けかた II
少し眠ろうと思って身体を動かした。
その瞬間、血がドバッと出る感覚があった。
思わず顔をしかめた私に、
「奈々、大丈夫か!?
どこか痛いのか!?」
遠藤先生が詰め寄る。
そりゃ、身体のあちこちが痛い、痛すぎるが、それよりも……
ふぇ……
ほら。
そんな声を出すから、赤ちゃんが起きちゃったじゃん!!
小さくてシワシワの赤ちゃんは、その身体からは想像出来ないほど立派な泣き声を上げる。
その泣き声を聞き、再び涙が出そうになった。
私、お母さんになったんだ……。