最恐ドクターの手懐けかた II
Case.3 は?男優じゃないの?
ナースステーションを飛び出し、どこに行けばいいのかも分からなかった。
そんな私を、ちょうどトイレから帰ってきたみどりちゃんが呼ぶ。
沈む私とは逆に、みどりちゃんの顔は輝いていた。
そして嬉しそうに私に告げる。
「奈々ちゃん!
今、やっと夫が来てくれたんだよ。
奈々ちゃんにも会いたいんだって!」
それでビクッとした。
とうとう変態男優イチゴミルクマンの登場か。
みどりちゃんに真実を告げず、みどりちゃんが絨毛膜下血腫で入院しても駆けつけないイチゴミルクマンの登場か。
私よりも悲惨なみどりちゃんを見て、申し訳ないけど少しだけ気が楽になった。
そして、
「失礼します」
その部屋に入ると、窓際に彼が立っていた。