最恐ドクターの手懐けかた II
暗い気持ちを打ち消すように首を振り、気になっていたことを畑中先生に聞く。
「みどりちゃん……
戸崎みどりさんの症状は酷いんですか?」
すると、にこりとする畑中先生。
その顔を見て安心した。
「確かに戸崎さんは出血のため入院したんだけど、絨毛膜下血腫はよくあることなんだよ」
それは病棟で助産師として働いている私も、何例も経験済みだ。
「酷くなると流産に繋がることもあるけど、戸崎さんは出血で血腫はかなり小さくなっているんだ。
あとは落ち着きさえすれば、退院できると思うよ」
その言葉が何よりも嬉しい。
みどりちゃんも頑張っているから私も頑張らないと、強くそう思った。