最恐ドクターの手懐けかた II







そんな訳で、冴木家はもちろん、遠藤家との顔合わせも無事に済んだ。

あとは区役所に婚姻届を出せば、私は法律的にも遠藤先生の妻となる。

ここ二ヶ月、怒涛の展開だった。

少し前までは大嫌いだった遠藤先生とこんな関係になるなんて、人生分からないものばかりだった。





「遠藤か……冴木って名字、結構好きだったのになぁ」



ボヤく私に、



「悪かったな、平凡で!」



遠藤先生は顔を歪めて私に吐く。

遠藤先生の名字は平凡だが、それ以外は平凡とは言いにくい。

琥太郎なんて名前に、変な服に変な車、おまけに漢マン。

それに比べて、遠藤奈々なんて地味すぎる。



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