最恐ドクターの手懐けかた II
「お前にも迷惑がかかる」
確かにそうだ。
遠藤先生が漢マンだとバレたら、妻の私まで変態扱いだ。
でも……それくらい、どうでもいい。
桃尻先生とイチャつかれるくらいなら、変態だと思われたほうがマシだ。
遠藤先生は切なげに私を見た。
そんな彼を、相変わらず冷たい瞳で見てやる。
かつては病棟一の暴れん坊と恐れられた遠藤先生と私は、その立場が逆転してしまったみたいだ。
「それでも俺は、あの女にビシッと言ってやることを決めた。
もうお前が苦しむのを見たくないから。
俺には、お前しかいねぇんだ」
漢マンのくせに、なに言ってんの?なんてこと、言えなかった。
落ち着いて落ち着いてと言い聞かせるが、胸はきゅんきゅんと甘い音を立てて止まない。