最恐ドクターの手懐けかた II




「はあ?今日の服、地味だろ!?」





まぁ、いつもよりは地味だけど……

ないな。




心の中で笑った。

そんな私を見て、彼も楽しそうに笑う。

その笑顔を見て、胸がきゅんきゅん言ったのは言うまでもない。




その笑顔のまま、遠藤先生は言う。




「やっぱり、奈々がいる家はいいな」



「何言ってるんですか」




冗談はやめてください。

じゃないと、きゅんきゅんが止まらなくなるから。

そんなキャラじゃないのに、甘えたくなってしまうから。




「こうやって笑って一緒に飯食って。

こういうのが幸せっつーんだな」





もう、そういうのはいけないよ。

離婚なんて考えるほど怒っていたのに、遠藤先生が大好きだと思ってしまうから。

私だって幸せだと思ってしまうから。



< 91 / 406 >

この作品をシェア

pagetop