最恐ドクターの手懐けかた II
「はあ?今日の服、地味だろ!?」
まぁ、いつもよりは地味だけど……
ないな。
心の中で笑った。
そんな私を見て、彼も楽しそうに笑う。
その笑顔を見て、胸がきゅんきゅん言ったのは言うまでもない。
その笑顔のまま、遠藤先生は言う。
「やっぱり、奈々がいる家はいいな」
「何言ってるんですか」
冗談はやめてください。
じゃないと、きゅんきゅんが止まらなくなるから。
そんなキャラじゃないのに、甘えたくなってしまうから。
「こうやって笑って一緒に飯食って。
こういうのが幸せっつーんだな」
もう、そういうのはいけないよ。
離婚なんて考えるほど怒っていたのに、遠藤先生が大好きだと思ってしまうから。
私だって幸せだと思ってしまうから。