最恐ドクターの手懐けかた II
「奈々のこと、すげぇ好きだ」
どうしたの?
私、ご飯に変なもの混ぜてしまったの?
「お前は?」
そう聞かれて、まっすぐな瞳に見つめられて、もう身体中の血が沸騰しそうだった。
胸の音がドキドキうるさい。
遠藤先生に聞こえていないことを祈るばかりだ。
「……嫌いではないです」
なんでこんなに可愛くない返事しか出来ないの?
こんな時くらい、素直になりたい。
私を見て、愛しそうに吹き出す遠藤先生。
この人が、こんなにも普通で、こんなにも愛情深くて、こんなにも素敵に笑う人だと思っていなかった。
こんな遠藤先生は、私だけのものだ。
「……好きです」
大好きです。
自分でも信じられないくらい、遠藤先生が好きなんです。