最恐ドクターの手懐けかた II




遠藤先生はふっと優しく笑い、私に手を差し伸べる。

そして、わざとらしくそっぽを向いた私を、そっと大切そうに抱きしめる。

その大きな身体に抱きしめられ、温かい体温に触れ幸せを感じる。

見上げると、彼はその優しい眼差しで私を見下ろしていて……引かれ合うように唇を重ねた。

甘くて優しくてとろけそうなキスを交わし……赤ちゃんがいる下腹部がきゅーっとする。



いけない、これ以上遠藤先生に呑まれてはいけないと、必死で言い聞かせる。

そんな私の耳元で、彼はそっと囁いた。





「風呂、入るぞ」




……風呂?

は?

お風呂!?





「ごめんなさい……生理」




思わず答えてしまった。


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