僕と、野獣系の彼女
「アツヤ…」

僕に怒鳴られるなんて、思ってもいなかったんだろう

亀のように、首をすくめて、僕を凝視している

「一歩間違っていたら、あいつらに拉致されていたかも知れないんだぞ!」

リン!もっと自分を大切にしろ!

…その思いは、つまり僕の彼女に対する本音は

言葉には、出せなかったけど…

なおも無言で、僕を凝視し続ける、リン

「もう知らないよ!勝手にしろ!」

僕はそれだけ言い放ち、よろめく足を叱咤激励して立ち上がる

地面にぺたんと座り込んだままのリンを置き去りにして、僕は自宅に入る

彼女の家は、三軒隣だから、もう自分で帰れるだろう

バタン!ドアを後ろ手に閉めて

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