僕と、野獣系の彼女
はああ…一年分くらいのため息をつく

まだ、心臓の鼓動が早い

からまれているリンの姿を目撃して

助け出し、二人で脱兎のごとく逃げ回って

リンを怒鳴り付け、反省を促して

もう、エンドレスの絶叫マシン状態だ

「アツヤ?帰ったの?」

家の奥からお母さんが出て来て、僕の姿を見て

「あんた、どうしたの!汗びっしょりじゃない!」

幽霊でもみたかのように、驚きの声を上げる

「あ、母さん、ただいま…

お風呂、入る…」

僕はそれだけ言葉を振り絞り、ずるずると自分の部屋に向かう

2階の窓から、家の前の様子をうかがう

リン…もう、姿は見えない

多分、僕と同じようにずるずると立ち上がり、自分の家に帰って行ったんだろう

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