僕と、野獣系の彼女
僕たちの高校が、別名「地獄坂高校」とか「心臓破り高校」と呼ばれる所以だ

今僕は、平坦な道を通りすぎ、「地獄坂」に差し掛かったところだ

…何故だ

どうして昔の人は、こんな山の頂上に、高校を、いや、街を作ったのか

平地エリアが少ない、この街特有の地形だからか?

ふうふう言いながら、地獄坂を上っていく

いや、ノソノソ這い上がる、という方が的確か

カクカクの次はノソノソ

周囲の通行人から見れば、さぞかし滑稽な姿に見えることだろう

「兄ちゃん、大丈夫か?」

散歩の途中らしいおばあさんが、僕の変な姿を見て、笑いながら話しかける

強ばった愛想笑いを浮かべ、早々に立ち去る

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