僕と、野獣系の彼女
地獄坂も何とか中腹に差し掛かった

「ヤバい、遅刻だ!」

「早く、早く!」

同級生たちが、颯爽と僕を追い越し、軽やかな足取りで地獄坂を上っていく

息も絶え絶え

何とか坂を登りきる

正門に生徒指導の先生が立っている

最後の力を振り絞り、閉められる直前の門を抜ける

間に合った…

もう、心臓が爆発寸前

制服も汗ビッショリ

自分の教室にたどり着き、着席する

「おお、アツヤどうした?

朝からマラソンかあ?」

クラスメイト、親友でもあるリュウが、ゲラゲラ笑いながら話しかける

…みんな、同じ事を思うんだな

誰が好き好んで、朝っぱらからマラソンなんてするんだよ

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