僕と、野獣系の彼女
「うわ、スッゲー汗!ベットベト!」

机に突っ伏した僕の背中をバンバンと叩いて、リュウが驚きの声を上げる

…もう、お願いだから、放っといて

先生が来た。授業が始まる

ビショビショの制服も徐々に乾いてくる

はあ、やっと落ち着いてきた

冷静になって、考えてみる

あの時…

リンが追いかけてきてくれなかったら…

後ろから、リンが僕を止めてくれなかったら…

僕は全力疾走状態で壁に激突して

今頃、病院のベッドの上かも知れない

多分、リンは全力疾走状態の僕を上回るスピードで坂を走って下り

激突寸前の僕を、止めてくれたんだろう

ちょっと苦笑い

昨日は僕が彼女のピンチを救い

今日は彼女が僕を助けてくれた

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