僕と、野獣系の彼女
「…それでさ、あんた、ドリブルが甘いんだよね…!」

「何いってんの!リンこそ、センタリングキッチリあげてよねー」

やはり、校庭で遊んでいたらしい

それも、女子がよってたかって、サッカーしてたなんて

リンだけでなく、他の女子も制服が泥だらけで、汗ビッショリだ

彼女と視線が合わず、しかもこんな状況で「お礼」なんて言えない

言えるわけがない

僕は、彼女らとすれ違いざま、ちょっと目をそらしてやり過ごす

「…でもさー、リンのシュート、バッチリだったねー」

「…サッカー部のキーパーが、キャッチできなかったもんねー」

「アッハハハハーッ!」

彼女らは僕に気づきもしない

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