僕と、野獣系の彼女
彼女はそう言って、僕が示した方向に眼をやる

あまり、興味がありそうには見えない

花壇に並んだ、色とりどりの花たち

『妖精が見える』

『花たちが、話しかける』

…なんて、とても言えない

絶対、お腹の皮がよじれるくらい、笑われる

「うわあ、きれいなお花!

…でもさアツヤ、きれいだけど、お腹はいっぱいにならないよ?」

あっはははは!彼女はそう言って、悪代官のように高らかに笑う

…余計なお世話だ

お腹いっぱいになる問題じゃない

きれいだから、そして、儚いから撮るんだ

「リイイイン!行くよおお!」

公園の出口辺りから大声が聞こえる

彼女の友人たちだ

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