僕と、野獣系の彼女
「おおおう!」

彼女は友人たちに大声で答え、舳先に立った水兵のように大きく手を降る

「…丁度良かった、アツヤ!
アタシたち、これからパフェ食べに行くんだけどさ、一緒に行こうよ!」

女子たちと…パフェ?

行けるわけないだろ!

絶対吊し上げにあう。魔女狩りみたいに

「あ…僕は、いいよ…」

彼女は不服そうに口をとんがらせて、なおも僕を説得しようとしていたが、

「リイイイン!早くうう!」

と、友人たちの声に答え、

「じゃあ、アツヤ!またなっ!」

と僕の肩をドンッ!と叩き、彼女は疾風の如く、公園を飛び出して行った

ふうう…一週間分くらいのため息をつき、僕は彼女の去った方向を呆然と眺める

「あっはははは…!」

彼女の高らかな笑い声が遠ざかっていく

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