好きになったのは、カレでした
とりあえず届いている荷物を
整理しよう。
といっても、ダンボール3つだけだからすぐ片付くんだけどね。
学校の物と服とあとは、小物類。
元々の家には私の私物はほとんどなかったから、ここにあるのがほぼ全部。
部屋がピンクと白で統一されていて、
the女の子って感じがする。
私、そんなに女の子女の子してないけどなぁ…?
にしても、
ほかの入居者さんってどんな人なんだろ?
あと2人いるんだよね?
男の人かな…女の人がいいな、出来れば。
一通り片付け終わり、
ベッドに座って一息つく。
「ふぅ…」
そしてそのまま、寝っ転がる。
目を閉じれば、
今まで苦しめていたものが降りた気がした。
「あ、律希おかえり」
「ただいま、あれみんなでご飯?」
「そう!めるちゃん、今呼びに行くところなの」
なんて、ドアの向こうから聞こえてきた。
あ、隣の人帰ってきたんだ。
ぐっと、体を起こしてドアを開ける。
「めるちゃん、ご飯よ」
そう笑顔で桃野さんは、私の手を引っ張った。こんな経験は初めてかもしれない。