不思議探偵アリス ~切り裂きジャックと赤の女王 ~
レオンは地図を見ながら何も言わずに歩いている。
つまんないの......
私は暗くなってきた空を見ながら歩いていた。
ドスッ
と突然レオンの大きな背中にぶつかった。
「ちょっと!」
いきなりレオンが立ち止まったからぶつかってしまったのだ。
「着いたぞ」
「へ?」
レオンは一軒の家を見ている。
「ここ?」
見るとそこにはレンガ造りの細長い家が建っていた。
おしゃれなお家。
なんか探偵事務所的なのがありそうな感じだな。
ガチャンッ
ドアの閉まる音。
レオンの姿がない。
あ!あいつ私を置いて家の中に入ってたな......
ほんと女の子の扱いが下手くそというか、雑。
外は暗く、なんだか不気味。
そんなところに女の子を1人置いてくなんて、バカじゃないの!
レオンへの怒りがこみ上げるが、とにかく早く入らなきゃ
取手に手をかけ、ドアを開けた。
「すごい!」
私は感動のあまり大きな声を出してしまった。
家の中は19世紀のロンドンの家のイメージそのものだった。
家具や内装はとてもおしゃれでリビングには暖炉もある。
私が家中を眺めていると
「メシだ。自分の部屋に行って着替えてこい」
とレオンがやってきた。
いつのまにかレオンは着替えていた。
「いつのまに.......」
「お前がアホヅラしてる時」
アホヅラ.......
いちいち言動に腹が立つ。
でもだんだん慣れてきたようだ。
今回は前よりも我慢できた。
「お前の部屋は2階」
とレオンは鍵を投げた。
「おっと」
普通に渡しなさいよ!
私は鍵をキャッチし、部屋へと向かった。