不思議探偵アリス ~切り裂きジャックと赤の女王 ~
「私たちがあなたを守ってあげる」
「えっ?」
「はっ?」
私の言葉にレオンとメアリーは驚いたように同時に私を見た。
だってそれ以外に無いもの。
「本当ですか!?」
「もちろん!私たちに任せて!」
そう言って私はメアリーに力一杯ガッツポーズをして見せた。
そんな私を見ると、彼女の表情は一気に明るくなった。
「ありがとうございます!」
メアリーは私の手を握った。
なんだか人から感謝されるのって嬉しいなぁ
なんてにやにやしていると
「こいっ」
といきなりレオンが私の手を掴み、少し離れたところで彼女に背を向けた。
「な、なによ」
「お前、勝手なこと言うな」
レオンはメアリーに聞こえないくらいの小さな声で言った。
「でも」
「俺たちの使命を忘れたのか?お前があいつを守るなんて不可能だ」
「そ、それは.......」
言葉に詰まる。
確かに無責任なことを言ってしまったかもしれない。
レオンの言っていることは正しい。
だけど
「私は殺されるかもしれないって怯えてる子を放っておけない」
そう言ってレオンの目を真っすぐに見た。
そんな真剣な私を見て一瞬レオン驚いたような顔をした。
しかしすぐにため息をつくと
「わかったよ」
とあっけなくレオンは折れてくれた。
「えっ?」
レオンの予想外の一言に変な声が出てしまった。
てっきりダメだって言われると思っていたから.......
レオンはそんな私のアホ顔を見ながら
「お前が言ったんだろ」
と呆れたように言った。