不思議探偵アリス ~切り裂きジャックと赤の女王 ~

ん?

ふと彼の腰元を見ると大きな剣が下げられている。

服にはまったく合っていない。

変なの.......

私がその剣を不思議に思っていると

「じろじろ見んなよ、ブス」

とレオンが冷たく吐き捨てた。

ブス.......?

ブ、ブス!?

いきなりの言葉に私はショックをうけた。

確かに私は可愛くもないし綺麗じゃない。

だけどレディにブスなんて!

さっきまでこいつのこと怖いなんて思ってたけど、これは許せない!

「なんなのよ!いきなりレディにむかってブスって!」

私は怒りのあまり思わず大きな声を出してしまった。

レオンはうるさいといった感じで耳を塞いでいる。

なんなのよその態度!

ムカつく!

「お前のどこがレディなんだよ」

「はあ!?あんたねえ......」

私は女じゃないって言いたいの、こいつ......!

それから私たちはそんなやりとりをしばらくの間続けていた。

すると

「アリス、レオン」

と聞き覚えのある声がした。

この声は......あ、もしかして!

と視線を下げてみると、そこにはさっきの白ウサギがいた。

「あ!さっきの!」

そこには帰る途中で見た白ウサギがいた。

やっぱりこの白ウサギが喋っていたんだ。

白ウサギは私を見てうなずくと

「よくきてくれたね、アリス。僕たちは君のことを待っていたんだ」

と嬉しそうに言った。

「私を?」

「君はこの世界の救世主なんだ」

救世主......

「私が!?」
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