不思議探偵アリス ~切り裂きジャックと赤の女王 ~
「そ、それは困るわ!」
そんな......
「だから俺がここにいるってわけか」
とレオンがめんどくさそうに頭をかきながら言った。
そうだ、レオンがいないと私はきっともとの世界へは戻れない。
「どうする、アリス」
もう......こんなの答えは1つしかないじゃないの
「やります!」
私は覚悟を決めた。
「そうか」
白ウサギは嬉しそうに微笑むと、私たちに事件の詳細が書かれた紙を手渡した。
「期限は1週間。それを過ぎるともとの世界に戻れなくなってしまう」
「わかりました」
「それでは頼んだぞ」
そう言うとウサギは持っていた鍵で一番小さな扉を開けた。
「ここから外へ出るんだ」
ち、ちいさい......
「こ、こんな小さいところから出るの?」
その扉はとても小さく四つん這いになっても通れるかどうか......
しかもスカートだし......
「時間ねぇんだ、早く行け」
とレオンは命令口調で言うと不機嫌そうに私を見た。
ちっ
こいつはいちいち命令口調で言ってくる。
腹立つ!
「わかったわよ!」
そう言って勢いよく外へ出た。
あ、通れた
「はあ......まったくなんなのよ、あいつ」
これから先、あいつと1週間も一緒に過ごさなきゃいけないなんて......
本当に私、大丈夫なの?