Past and Present ~時を超えてあなたを愛する ~
私は酔っ払っている先輩をタクシーに乗せ、自分は家まで歩く事にした。
お店から家までは近い。
歩いて15分くらいだろうか。
私の住んでいるマンションは同世代の人たちからしたらかなりいい部屋だと思う。
まぁ、独り身でお金もかからないっていうのもある。
でも一番の理由は私の実家が由緒正しい家だという事だろう。
3LDK、バストイレ別、ウォークインクローゼット付きの立派な部屋だ。
一人暮らしの私には広すぎる。
小さな頃から家を継げと言われて育った。
私の家は昔、天皇家との繋がりもあったような家だった。
けれど出版社で働きたいと思い実家のある京都を出て上京した。
それから私は自分自身の力だけで今の会社に就職し、人気雑誌も担当させてもらうこともできるようになった。
それでも実家からはお金も送られてくるし、マンションの部屋も私の買ったものでもない。
もっと自由な生活を想像していたのに、結局私は家に縛られている。
それに最近は早く結婚しろとお見合い写真も送られてくる。
私だって早くいい人見つけて結婚したい。
だけど私が求めてるのは運命の出会い。
なんて思いながら働き続け、気づけばアラサー。
悲しくなってくる。
運命の出会いないかな~
私はそんなことを考えながら夜の住宅街を歩いていた。