濡れる女
「泪、おつかれーやっとあがれたんだね」
「え…緑川くん…?」
「??」
「まだいたんですね…」
「うん!泪と一緒に帰りたくて今日も歩きでしょ?」
「あっ…はい」
「じゃあ一緒に帰ろ」

そうそこで否定をしていれば
よかったのに…
ここまで来てたら気づくべきだったのに
何ならバイト先にいるんだから
ちょっと助けを求めたら
先輩達が助けてくれたかもしれないのに…

その日から
シフトが被ったら一緒に帰る
あっちが先にあがっても絶対に残ってる
あっちが休みの日でも時々来ては
私が上がるまで残ってる

その時期から先輩達も
私に大丈夫?とかプチストーカーされてない?とか
困ってたら言ってね、ルイちゃんが言いずらいことはっきり言ってあげるよ?
とか心配の声が多くなってきた
ただそれプラス江北さんの行為もエスカレートしてきたし
帰ってる時のスキンシップも手を触るとか肩を抱くとか今まで
したこともされたこともある行為だったのに
こんなに怖いものだと思ってなかった…
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