愛されすぎて・・・
「結菜の怪我見たか?」
人通りの少ない廊下で、涼真が結菜の話を持ち出してきた。
こいつが結菜って呼んでんのがいつまで経っても気に食わねーけど・・・
「あぁ・・・転けたっとか言ってたけどな」
「それは違うの気づいてんだよな?」
まっすぐな目で俺を見つめる。
なにかを必死に訴えるような目で・・・
「あぁ、気づいてる」
そんなバカじゃねーよ。
朝に会った時から、怪しいなぁってちょっと疑ってたし・・・
「内緒って言われてたんだけど、結菜は、真司に心配かけたくないって嘘ついてんだよ」
「・・・はあ??」
何も喋らなかった理由って俺に迷惑かけたくないから?
・・・なんだよ、それ。