夢の焼け跡
電車を何本か乗り換えて、最後に鎌倉から江ノ電へと乗り込んだ。


江ノ電の窓から海が覗くと
明日香は目をキラキラさせて喜んだ。


その喜ぶ姿を見て裕也は海へ連れてきて良かったと思った。




電車を降り
駅から海へと歩いて向かう。

道中、すれ違う男性は皆、明日香を振り返る。

やっぱり明日香は世間的に見てもかなり可愛いんだと再確認させられた。

明日香本人はそんな男の視線など
気にもしていない。


男の目など、きっと慣れっこなのだろう。

しばらく歩くと道路を挟んだその向こう側
潮の香りと共に目の前に海が広がった。


次の瞬間
明日香は海に向かい一直線に走り出した。

「裕也も早くおいでよーっっ」

こちらを振り返り大きく手招きする明日香。


そんな明日香に呆れた顔を向けつつも
内心微笑ましく感じていた。


それと同時に安心もしていた。明日香もやはりまだ無邪気な少女なのだと。

裕也は明日香の方に向かい小走りで走り出した。
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