夢の焼け跡
テニスサークルの飲み会で
かなりの量の酒を煽っての帰路。

テニスサークルとな名ばかりで
その実体は、ほぼ飲みサークル。

火照った頬
少し早い脈拍

こんな夜にこそ
心地いい夜風が吹いて欲しいものだ。



木造建ての古アパート、その角を曲がりしばらく行くと裕也の家がある。
裕也は角を曲がり
急にピタリと立ち止まった。


目を少し大きく見開いて
見据えるその先には



「……」



道端にゴロンと
転がった


女の子の姿があった。



ハッと我に返り駆け寄る。
「大丈夫ですか!?
大丈夫ですか!?」

身体を揺さぶり必死に呼びかける。



「…っさい…」

「……え……?」

「うるっさいっつってんだよ!!」

裕也の身体は凄い勢いではね退けられ
勢い良く尻餅をついた。「いたっっ!」



女の子は起き上がり裕也を見下ろし

「人が良い気分で寝てりゃあ
起こしやがって!」

腕を組み言いそう放った。



裕也の頭の中には無数のハテナマーク…。

「…え…?
良い気分で寝てたって…こ、ここで…?」

「悪い?」

女の子の大きな瞳が裕也を睨み付ける。
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