夢の焼け跡
「い、いや
悪くないけど…
こんな道のド真ん中ね寝るなんて…危ないよ…」

よく事態を飲み込めない頭で
必死に言葉を探り当て、探り当て喋る。


「だって家ないんだもん。
大丈夫、私暑いの平気だから。」


確かに真夏に道路で寝るなんてかなり暑いだろうが
論点がズレまくってる。


「家がないって…」

その女の子は
見た感じ、まだまだ幼さを漂わせていた。

そしてよく見ると驚くほど綺麗な顔だちをしていた。


「あ。そーだ。あなたン家に連れて行ってよ。」

先程までの裕也を睨み付ける怖い顔は一変、
女の子はぱぁっと笑顔になり
そんなムチャクチャな提案をあげてみせた。


「はっ!?」


そのムチャクチャな提案をすぐに理解出来るはずもない。


「あ?嫌なの?」

また先程と同じ様な目に戻り
女の子の目が裕也を捕らえる。


もともと気の弱い裕也は
肩を竦め
目をそらす。


「………なんでも…ないです…」
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