夢の焼け跡
「じゃあ決まりねっ」


このままほっとくのも気が引けるし
女の子の勢いも手伝ってとりあえず我が家へ連れて帰る事にした。


その場所から歩いてすぐの所にある
10階立てのコンクリート打ちっ放しの小綺麗な建物

「ここが俺の住んでるマンション。」

建物を指さす裕也。

「へぇ…
結構良いとこ住んでんだ…?」


エントランスを抜けエレベーターで6階へと上がる。


604号室。


そこが裕也の部屋。

2LDKの新築マンション。

鍵を開けると女の子は「おじゃまします」もナシにズカカズカと上がり込んだ。

その少しずうずうしい態度に正直面食らった。

「へ~広い部屋…。綺麗にしてるね。」

裕也の部屋には余計な物は置かれてなく、TV、ベッド、ソファ、といった必要最低限のものだけが
置かれていた。

そのどれもシンプルだけどオシャレな物で裕也のこだわりを垣間見せる。


荷物を肩から降ろし
ソファへとどかっと座る女の子。

裕也は床へと腰掛けた。
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