戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜




「実戦シュミレーション型なんて...変な方針よね」




教室へ足を進めながら、クレアが呟く。



それにはあたしも同意。


まだ学生なのに実戦型だなんて、早すぎると思う。


しかも生徒同士を戦わせる?


冗談であってほしいよ...。


そんなことを思うあたしとは反対に、クレアは少し微笑みながら歩く。




「でも私、紫色で良かった」


「どうして?」


「リリアンと戦わなくて済むから」




クレア...あなたは天使ですか!!


あたしはもう泣きそうだよ...。


でも...クレアも、あたしが魔法を使えないって分かったら、離れていってしまうのかな。



今まではみんなそうだった。


最初は仲良くしてくれても、あたしのことを知るうちに、あたしをバカにしながら離れていった。



ついたあだ名は

〝出来損ないリリアン〟。



その頃からあたしは人と仲良く出来なくなった。



でも、クレアなら...


そんな事ないって思ってみてもいいかもしれない。



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