戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜



サラリと言うと、ゼンは「あ」と声をあげた。


急に立ち止まって屈んで、また立ち上がる。



その手には1本の可愛らしい小さな花があった。



ピンク色と黄色が織り交ざった、鮮やかで可愛い花。




「リリーに俺の魔法をプレゼントしてあげる」


「え?」


「まぁ見てなって」




いたずらっぽくウインクしたゼンは、花を持つ方とは逆の手を、優しくそれにかざした。


淡い緑色の光が彼の手と花を包み始める。



そして、だんだんと、花が形を変え始めた。



小さかった花びらは大きくなり、色鮮やかさを増す。


茎が伸びて花を飾る額のように巧みに動く。



光が消える頃には、小さかったただの花が、手のひらサイズの髪飾りへと変わっていた。



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