戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜




すごい...。


これが、植物を操る魔法。


ゼンは出来上がったそれを見て満足げに頷くと、あたしの髪に付けた。




「はい。俺からリリーへプレゼント」


「え...いいの?こんなに立派なもの貰って」


「植物造形術は俺の得意技だからね。
欲しければいくらでも作るよ」


「あ、ありがとう...」


「うん。よく似合ってるよ」




ゼンって、ただの女好きなイケメンなのかと思ってた。


けど、女の子から絶大な人気がある理由が、今分かった気がする。


この顔でこんなことされたら、誰だって嬉しいに決まってるよね。


不覚にもちょっとドキッとしたし...。



また歩き出したゼンは、両腕を頭の後ろで組んで、つまらなそうに空を見上げる。




「あーあ、俺のルームメイトはライトかぁ。
絶対話合わないな。可愛い女の子が良かった」


「ルームメイト?」


「え、知らない?寮って2人ひと部屋なんだよ。
俺たち4人はなぜか固まって2分割されたけど、普通はランダムらしいね」


「そうなんだ。あたし、全然知らなかった」


「...リリーって案外のんびり屋?」


「え!?そ、そんなことないと思うけど?」


「じゃあ、渡った資料読んだ?」


「...まだ」


「うん、ほらね?」




資料に寮のこととかも書いてたんだ。


面倒くさくて鞄の中に突っ込んだままだった...。


それに対してゼンは、見かけによらずちゃんとしてる。


っていうことは、あたし、ゼン以下!?



まずい。

しっかりしなきゃ...。



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