戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜
と、ドアノブに手をかけようとしたその時。
──ガチャリッ...
ドアが向こうから開かれた。
そして、ひょこっと顔を出したのは...あたしと同じ金髪の女の子だった。
とても、可愛い女の子。
いや、可愛いなんてもんじゃない。
美しく、可憐で、でも上品。
そんな子が、あたしの目の前に立っていた。
「......」
「......」
ドアを挟んで互いに見つめあったまま動かないあたしたち。
彼女のエメラルドグリーンの綺麗な瞳に、マヌケな顔のあたしが映っている。
えっと...えっと...
こういう時、何てリアクションすればいいんだろう?
「リリアン、ちゃん...?」
サクラ色の唇が、あたしの名前を紡ぎ出す。
声も出ないあたしは、ただ頷く。
すると彼女は嬉しそうに顔をほころばせた。
「良かった!なかなか来ないから心配してたんだ!
私はナナよ。あなたのルームメイト!!」
「ナナ...」
この子がナナ。
可愛い女の子。
まるでお姫様みたい。
「あ、ごめんね!そんなところに立たせちゃって。
中へどうぞ...って、ここはあなたの部屋だね」
クスクス笑うナナに、ついあたしも笑ってしまう。
良かった。
すごくいい子そう。