戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜
ドタドタドタ...
どこからか大きな足音が聞こえる。
誰か走り回ってるのかな?
──バンッ!!
突然開かれた部屋のドア。
ギョッとしてそっちをみると、そこには肩で大きく息をしている老紳士が立っていた。
ビシッとした燕尾服。
白髪が混じっている長い黒髪は、後ろで綺麗に結わえてある。
し、執事さん...?
「姫様っ!!ご無事ですか!?」
ひ、姫様?
誰のこと...?
呆気に取られるあたしの隣で、ナナが平然と答える。
「じいや。こんなところまで来てどうしたの?」
「姫様がきちんと寮にお着きになられたか、じいは心配で心配で...!!」
「もう子供じゃないんだからそれくらい出来るって」
「しかし...」
モゴモゴと口を動かしたじいやさんは、あたしにチラリと目を向ける。
「姫様の相方がこのような庶民だとは...」
「リリアンを悪く言わないで。
それに、私が姫だってことは秘密の約束でしょ」
「はっ!!そ、そうでした...。
申し訳ございません」
...え?
ナナってお姫様なの?