戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜




「おーい、女の子のみんなー。
今のうちに逃げといたほうがいいよー」


「ゼン。余計な事言わないで」


「はいはい」




そう言うゼンの左の手のひらの中では、透明な水がぐるぐる渦巻いている。


それは次第に、おびただしい量になっていく。


そして...ゼンのもう片方の手から出てきた草のつるのようなもの。



それを見た瞬間、ヒーロー組はさっきとは違う意味でざわつき始めた。




「な、何だこいつ...バイタレントか!?」


「嘘だろ...」




一歩、二歩、後ずさり。


...かと思えば。




「こ、攻撃だーー!!!」




誰かのその一言を引き金に、ヒーロー組の大半が2人に向かって一斉攻撃を仕掛けた。



水、炎、雷、風...


様々な攻撃が2人を襲う。



でも2人は動かない。



不敵な笑みを浮かべたまま、待っている。



...そう、ただ待っているだけ。




攻撃があと数センチで2人に届く──...





──と思ったその瞬間。






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