戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜
「リリアン!」
名前を呼ばれて振り返ると、頭上にオレンジ色のライフを浮かべたナナが駆け寄ってきていた。
ゲージはあと半分以上ある。
「ナナ、無事で良かった!」
「それはこっちのセリフ!
魔法の波動がたくさん来ているのに、よくそんなに無傷でいられるわね」
「波動...?」
「リリアン、知らない?
魔法を使うと、その周囲にも多少の影響が出るの。波動っていうんだけどね。
それを受けると、ライフは少しずつ減るはずなんだけど...」
頭の上のライフゲージを見てみる。
本当だ。
あたし、1ミリもゲージが減ってない。
最初に現れたときのまま、満タンだ。
何でだろう?
波動ってやつがあたしに届くギリギリのところで切れてるとか?
あたしのライフを凝視していたナナは、突然びっくりしたように目を丸くした。
「リリアン、その髪飾り、どこで!?」
「え?」
髪飾りって、これ?
あたしが今頭につけてる、ゼンからもらった可愛いやつのこと?
「これは人からもらったものだけど...」
「もらった...?
ねぇ、その人ってかなり強い魔法使いだったりする?あと、リリアンが魔法を使えないこと知ってる人?」
「え?...うん、多分強いと思うよ。
そのことも知ってるし」
「...じゃあやっぱりそれのおかげね。
その髪飾りがリリアンの周りにシールドを張ってるみたい」
「シールドを?」
「そのおかげで、リリアンには波動が届かないんだと思う。髪飾りからわずかに魔力を感じるしね」
ってことは...
ゼンがシールドを張ってくれたってこと?
あたしが波動を受けないように?
昨日あたしにこれをくれたのは、今日のことを見越して...?
じゃあもしかしてゼンは...