戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜
可愛らしく微笑んだライト。
でも、それは一瞬で不敵な笑みに変わる。
無言で微笑んだまま、右手と左手を胸の前で合わせた。
...その瞬間。
──バチバチバチバチィッッ!!
ゼンとの合成魔法のときよりも何十倍も甚だしい音と光が、彼の両手から溢れ出した。
ノマが顔をしかめると同時に、彼女の上にあるライフのゲージが大きく減った。
もしかしてこれが、ナナの言ってた〝波動〟?
それを受けて、ライフが減った...?
でも、ナナは『少しずつ減る』って言ってた。
なのに一気に減ったってことは...
ライトの魔法が、それだけ強力ってことだ。
「...あのね、今後のために言っとくけど」
ライトが口を開く。
その口調は息ひとつ乱れていない。
「合成魔法って、必ずしも〝互いの効力を高め合う〟組み合わせで使うんじゃないんだよ」
「ど、どういう意味ですの...!?」
「だから、キミは〝風〟と〝炎〟っていう典型的な組み合わせを使ったわけだよね。炎は風によって燃え盛るから。
けど、それは初心者がやることだよ」
最初は青かった光が、次第に緑色に変わる。
その威力はどんどん増しているのか、だいぶ離れたあたしの所までにもピリピリした空気が伝わってきた。
ライトがゆっくりと両手を離すと、そこにはテニスボールくらいの大きさの緑に輝く玉があった。
帯電しているのか、バチバチと音をあげている。